EA(エキスパートアドバイザー=MT4/MT5で動く自動売買プログラム)を選ぶときに、どの入手方法を選び、何を基準に比べ、2本目以降をどう組み合わせるかを解説します。当サイトが実口座で検証したEAの成績も並べて比較しますが、その数字をどこまで信じてよいかも正直に書きました。
結論:おすすめのEAは「基準で選んだ組み合わせ」
「EA おすすめ」と検索すると、月利◯%をうたうEAのランキングが数多く出てくる。しかし筆者が15年間のトレード経験とEAの検証から言えるのは、どんな相場でも勝ち続ける1本のEAは存在しないということだ。トレンド相場で稼ぐEAはレンジ相場で負け、レンジ相場で稼ぐEAはトレンドが出ると大きく負ける。1本のEAに資金を預けるのは、1つの相場環境に全財産を賭けるのと同じだ。
だから本当の意味での「おすすめ」は、特定のEAの名前ではなく、①基準を満たした1本目を選び、②性格の違う2本目・3本目を足して、③資金をドローダウンから逆算して配分するという手順そのものになる。この記事では、その手順を順番に説明する。
- ① 1本目は、フォワード実績6か月以上・プロフィットファクター1.3〜2.0・最大ドローダウン20%以下を目安に選ぶ
- ② ナンピン・マーチンゲールで成績をつくっているEAは選ばない
- ③ 2本目は「同じ通貨ペアの同じロジック」ではなく、ロジック・時間軸・通貨ペアの違うものを足す
- ④ 資金は、最大ドローダウンの2〜3倍を1本あたりに割り当てる
EAの入手方法4種類を比較
EAを手に入れる方法は大きく4つある。それぞれに向き不向きがあり、価格の高さと成績の良さは比例しない。
| 入手方法 | 費用 | 成績の透明性 | 主なリスク | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| 無料EA | 無料(業者の口座開設が条件のことも多い) | 低い(バックテストのみのことが多い) | ナンピン・マーチン型が多く、口座指定でスプレッドが広いことも | EAの仕組みを試したい人 |
| EA販売サイトの有料EA | 数千円〜数万円 | 比較的高い(フォワード成績を公開しているサイトが多い) | 販売後に成績が落ちるEAもある | 数字を見て1本ずつ選びたい人 |
| 情報商材型のEAパッケージ | 数万円〜十数万円 | 商品により大きく異なる | 誇大な利回りの宣伝、検証できない実績 | 複数のEAと運用方法をまとめて学びたい人 |
| 自作EA | 時間(プログラミングの学習) | 自分で検証できる | 過最適化(カーブフィッティング)に陥りやすい | ロジックを自分で理解・改良したい人 |
無料EAの落とし穴はMT4無料EAの見分け方で、自作の手順はEA自作の解説で詳しく取り上げている。どの方法で手に入れるにしても、次に説明する7つの基準で評価する点は変わらない。
当サイトが実口座で検証したEAの成績比較
当サイトでは、情報商材として販売されているEAを実際に購入し、実口座で運用して検証している。ここでは、その結果を同じ表に並べて比較する。詳しい検証内容は各レビュー記事に載せている。
| EA・商材 | 検証の条件 | 3か月の結果 | 編集部の評価 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| AI自動売買 徹底マスター講座 | 資金30万円・推奨セットから5本を分散運用 | +12.24% | ★4.2 / 5.0 | 158個のEA群と運用方法の講座がセット。仮想通貨用の1本はマイナスだった |
| サイバードラゴンEA | 資金10万円・0.01ロット固定・マーチンゲールOFF | +9.67% | ★3.0 / 5.0 | 機能はするが、公式の利回り表示と実際の成績に大きな差 |
数字だけを見ると、どちらもプラスで、月利に直すと3〜4%前後になる。しかし、この数字をそのまま「おすすめの根拠」にするのは危険だ。理由は3つある。
- 期間が短い:3か月は1つの相場環境しか含まないことが多い。EAの評価には最低でも6か月、取引回数100回以上のフォワード成績がほしい
- 最大ドローダウンを経験していない可能性:EAの本当の危険は、数年に一度の大きな連敗で表れる。3か月でそれが起きていなければ、リスクは見えていない
- 年利への単純換算は誤り:3か月で+12%だからといって、年に+48%になるわけではない。成績の良い時期から運用を始めた偶然の可能性もある
当サイトの評価で「AI自動売買 徹底マスター講座」を上位にしているのは、3か月の利回りが高かったからではなく、複数のEAに分散する前提の設計になっていること、運用の考え方を学べる講座が付いていること、バックテストの期間が長いことを評価しているためだ。サイバードラゴンEAは単体のEAとしては機能していたが、宣伝の利回りと実績の差が大きく、評価を抑えた。
EAを選ぶ7つの基準

EAを評価するときに見るべき基準を7つにまとめた。上から順に重要度が高い。1つでも大きく外れていれば、他の数字が良くても候補から外してよい。
| 基準 | 目安 | 見る理由 |
|---|---|---|
| ① フォワード成績の期間 | 6か月以上・取引100回以上 | バックテストは過去への当てはめ。実際の相場での成績が最も信頼できる |
| ② ナンピン・マーチンゲールの有無 | なし(または上限が明確) | 高い勝率の正体であることが多く、1回の急変で口座を失う |
| ③ 最大ドローダウン | 20%以下(30%超は避ける) | 資金が一時的にどこまで減るか。精神的に耐えられるかにも直結 |
| ④ プロフィットファクター | 1.3〜2.0 | 総利益÷総損失。低すぎれば優位性がなく、3以上は過最適化を疑う |
| ⑤ バックテストとフォワードの差 | 大きく崩れていない | フォワードで急に悪化するEAは、過去に合わせすぎている |
| ⑥ ロジックの説明 | どんな相場で勝ち、どんな相場で負けるかが説明されている | 負ける局面が分からないEAは、止めどきも判断できない |
| ⑦ 取引条件の想定 | スプレッド・スリッページを現実的な値で検証している | スキャルピング系はコストの差で成績が逆転する |
特に注意したい「勝率90%以上」のEA
勝率が90%を超えるEAは魅力的に見えるが、多くの場合、含み損を抱えたポジションを決済せずに持ち続けるか、ナンピンで平均価格をずらして小さな利益を積み重ねている。勝ちが多いぶん、負けたときの1回が、それまでの利益をまとめて吹き飛ばす大きさになる。勝率ではなく、平均利益と平均損失の比率、そして最大ドローダウンを見るべきだ。バックテストの読み方はEAのバックテストの見方、過去に合わせすぎたEAの見抜き方は過最適化の解説で詳しく説明している。
2本目以降の選び方——分散は「ロジックの違い」でつくる

1本目のEAを運用し始めると、多くの人が2本目を探す。ここでよくある失敗が、1本目と同じようなEAを足してしまうことだ。ドル円の逆張りスキャルピングEAを2本動かしても、同じ相場で同時に勝ち、同時に負ける。これでは分散ではなく、取引量を2倍にしただけだ。
分散の3つの軸
| 分散の軸 | 1本目の例 | 2本目に選ぶもの | 効果 |
|---|---|---|---|
| ロジック(最も重要) | 逆張り(レンジ相場で勝つ) | 順張り(トレンド相場で勝つ) | 相場環境が変わっても、どちらかが機能しやすい |
| 時間軸 | 短期(スキャルピング・デイトレード) | 中長期(スイング) | 同じ値動きへの反応がずれ、損益の波が重なりにくい |
| 通貨ペア | ドル円 | ユーロポンドなど、円・ドルを含まないペア | 特定の通貨のニュースで同時に負けにくい |
ただし、通貨ペアを変えるだけの分散は効果が限られる。ドル円とユーロ円はどちらも円を含み、円の急変で同じ方向に動く。分散で最も効果が大きいのは、ロジックが逆の性格を持つEAを組み合わせることだ。
2本目を足す前のチェック
- ① 1本目を3か月以上運用し、その成績が7つの基準から大きく外れていないか
- ② 2本目の候補は、1本目と負ける時期が重なっていないか(両方の月別成績を並べて確認する)
- ③ 2本を同時に動かしたときの合計の最大ドローダウンに、資金が耐えられるか
- ④ 2本目を足す理由が「1本目の負けを取り返すため」になっていないか
②の確認は、両方のEAの月別成績を表に並べるだけでできる。1本目がマイナスだった月に、2本目もマイナスだったかを見る。負ける月がほとんど重なっているなら、その組み合わせは分散になっていない。コピートレードとEAを組み合わせる考え方はコピートレードとEAの比較も参考になる。
最大ドローダウンから必要資金を計算する

EAを選んだら、次に決めるのが1本あたりの資金とロットだ。ここで基準にするのは期待利益ではなく、最大ドローダウンだ。フォワードの最大ドローダウンは、バックテストの最大ドローダウンより大きくなることが多いため、余裕をもって資金を割り当てる。
必要資金 = 最大ドローダウン額(使うロットに換算) × 2〜3
例:0.01ロットで運用したときの最大ドローダウンが1万5,000円のEAなら、0.01ロットあたり3万〜4万5,000円を割り当てる。0.05ロットで動かすなら15万〜22万5,000円が必要になる。
| 運用ロット | 最大DD(0.01ロットで1.5万円のEA) | 必要資金(DD×2) | 必要資金(DD×3) |
|---|---|---|---|
| 0.01ロット | 1万5,000円 | 3万円 | 4万5,000円 |
| 0.03ロット | 4万5,000円 | 9万円 | 13万5,000円 |
| 0.05ロット | 7万5,000円 | 15万円 | 22万5,000円 |
| 0.10ロット | 15万円 | 30万円 | 45万円 |
2本以上を動かす場合は、各EAの必要資金を合計する。分散がうまくいっていれば、2本の合計のドローダウンは各EAのドローダウンの単純な合計より小さくなるが、最初は単純な合計で見積もっておくほうが安全だ。EA全体のリスク管理は自動売買のリスク管理で詳しく解説している。
EAを止める基準も先に決めておく
運用を始める前に、「どうなったら止めるか」も決めておく。目安は、フォワードの最大ドローダウンが、バックテストの最大ドローダウンの1.5倍を超えたときだ。そこまで崩れたEAは、過去に機能していた相場環境が変わった可能性が高い。止める基準を決めずに運用すると、「もう少し待てば戻るかもしれない」と考えて、損失を広げやすい。
EA選びで失敗する5つのパターン
1. 宣伝の月利で選ぶ
「月利20%」「年利300%」といった数字は、最も成績の良かった期間を切り取ったものであることが多い。月利20%を1年続ければ元本は約8.9倍になる計算で、それが安定して可能なら、そのEAは数万円で売られていない。宣伝の月利ではなく、フォワードの期間と最大ドローダウンを見る。
2. バックテストの右肩上がりのグラフを信じる
きれいな右肩上がりのバックテストは、過去の相場に合わせて設定を調整すればいくらでも作れる。フォワード成績のないEAは、評価できないものとして扱う。
3. 1本目が負けた直後に2本目を足す
1本目がドローダウン中に「別のEAで取り返そう」と2本目を足すと、資金に対するリスクが急に増える。2本目を足すのは、1本目が想定どおりに動いていることを確認してからだ。
4. ロットを資金の上限まで上げる
成績が良いEAほど、ロットを上げたくなる。しかし最大ドローダウンは、これまでに起きた最悪の数字にすぎず、今後それを超える連敗が来ることもある。ロットは必要資金の計算式から決め、成績が良いからといって上げない。
5. 放置する
EAは「放置で稼げる」と宣伝されることが多いが、実際には週に一度は成績を確認し、止める基準に達していないかを見る必要がある。経済指標の発表や相場の急変時に一時的に止める判断も必要になる。完全に放置してよいEAはない。
よくある質問(FAQ)
まとめ:EAは「選ぶ技術」と「管理する技術」
EAは、手に入れた瞬間に稼いでくれる魔法の道具ではない。成績の裏付けを確かめて選び、性格の違うEAと組み合わせ、資金をドローダウンから逆算して割り当て、止める基準を守る。この一連の作業ができて初めて、EAは資産運用の道具になる。
- 1本目は、フォワード6か月以上・PF1.3〜2.0・最大DD20%以下を目安に選ぶ
- ナンピン・マーチンゲールで勝率を高く見せているEAは避ける
- 2本目は、ロジック・時間軸・通貨ペアの違うものを選び、負ける月が重ならないかを確認する
- 資金は最大ドローダウンの2〜3倍を割り当てる
- 止める基準(フォワードDDがバックテストDDの1.5倍)を運用前に決める
- ① 今使っている(または候補の)EAを、7つの基準で採点する
- ② そのEAの最大ドローダウンから、必要資金を計算する
- ③ 止める基準を書き出しておく
AI自動売買 徹底マスター講座
分割決済対応
当サイトが検証したEA系商材の中で最も評価が高い(★4.2)。158個のEA群から相場環境やロジックの違うものを選んで組み合わせる前提で設計されており、この記事で説明した「2本目以降の分散」を実践しやすい。3か月の実口座検証では、5本の分散運用で+12.24%(うち仮想通貨用の1本はマイナス)だった。どのEAを選び、どう止めるかを学べる講座が付いている点も評価している。
- 158個のEA群から、ロジックの違うEAを組み合わせられる
- 20年超のバックテストデータで長期の傾向を確認できる
- EAの選び方・運用方法を学べる講座付き
- 分割決済対応
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